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第18回十和田市写真コンテスト
総 評
『平成30年度 十和田市写真コンテストの審査を終えて』
第18回を迎えて、十和田市観光写真コンテストのバリエーションの幅の広さを感じました。観光という主題に沿って選ばせていただきましたが、美しい風景だけでなく、作者の視点の自由な感覚がたいへん新鮮でした。
締め切りの時期が冬のためか、冬の作品が多く集まったようです。四季を通しての観光シーンももっと見たかったです。
今回まず感じたのは、プリントアウト状態の良くない作品が多かったことです。仕上げにもう少し気を付ければ上位に入選するような作品もありました。
表現のテクニックは日々の積み重ねだと思います。想いを伝える作品にする、未知の領域が無限ですから、これからも大いに写真を楽しんでいただきたいと思います。
審査員 和田 光弘
(日本写真家協会会員、日本大学芸術学部写真学科講師、十和田市出身)
最優秀賞
『現代美術館アート広場夜景』
撮影者:
佐藤 幸一(十和田市)
撮影場所:
十和田市現代美術館アート広場
講評:
水玉の女の子が見ている世界がまるでファンタジーのようである。全体のブルーの色合いも微妙に美しく空間の取り入れ方もしっかりしている。その上に線画のような木々や動物や足元の雪が不思議な世界を醸し出している。アートの町、十和田市の絵本の一ページのような作品である。
十和田市写真コンテスト
優秀賞
『駒っこランドに星が滑る』
撮影者:
鹿内 秀雄(青森市)
撮影場所:
十和田市馬事公苑 駒っ子ランド
講評:
大型遊具を幻想的にポイントにおいて、長時間露光で夜の空の楽しい語らいが聞こえてくるようである。飛行機の航跡をこのように写真に取り入れるのもおもしろい。
優秀賞
『朝靄の渓流』
撮影者:
松林 操 (七戸町)
撮影場所:
奥入瀬渓流
講評:
霧に包まれた奥入瀬渓流の流れのカーブとそっと枝を伸ばした真っ赤なもみじが印象深い。枝の具合は選べないがアングルで工夫はできる。枝の取り入れ方は難しいテーマと思う。
和田光弘賞
『シルエット』
撮影者:
小笠原 正明(十和田市)
撮影場所:
十和田市現代美術館
講評:
強い色彩構成でライトアップされた現代美術館にまず引き付けられる。中央には力強い枝ぶりのシルエット、そして2人の人物をさりげなく配置している。何気ない写真だが、大胆な構図と繊細なポイントが心憎いばかりである。
春の十和田賞
『桜街道』
撮影者:
相内 悦子(青森市)
撮影場所:
官庁街通り
講評:
春の早朝の一場面、一面に散り敷いた桜の花びらを逆光の光で印象的に表現している。斜め半分の画面構成でさくらのじゅうたんを大きくとらえ、馬の動感も表現できた。ただ、もう少しアングルを高くして、右の2頭の馬の重なりを考えてみたかった。
春の十和田賞
『金色の風になって』
撮影者:
向井 義幸(田子町)
撮影場所:
中央公園緑地
講評:
疾走する馬と矢を射る人物の真剣勝負が手前にぐっと近づけてとらえたことで、迫力がものすごく伝わってくる。欲を言えば矢を射る手元が見えないのがざんねんである。
夏の十和田賞
『地上の星々』
撮影者:
白山 健悦(おいらせ町)
撮影場所:
十和田神社
講評:
十和田神社の鳥居が神秘的に浮かび上がるムード満点の作品だ。高感度による撮影で、ホタルをこれほどまでにとらえることができたと思う。この写真にひかれて行ってみたいと思う人は多いのではないだろうか。
秋の十和田賞
『湖上花火』
撮影者:
逓駅 隆英(東北町)
撮影場所:
桜の広場
講評:
夜の湖面に浮かびあがる恵比須大黒島と華麗な花火で夏の十和田湖のひと時を表現できた。湖面に映る花火をうまく取り入れている。花火の色彩も良い。
秋の十和田賞
『ショータイム!』
撮影者:
サーミエント マイケル(十和田市)
撮影場所:
官庁街通り
講評:
祭りの見物客にこのアングルは絶対に見られない。これほど圧倒するカメラフレーミングには驚くばかりである。にぎわう沿道の人々の目線もおもしろい。太鼓のばちさばきも迫力もあいまって秋祭りのとらえかたがすばらしい。
秋の十和田賞
『虹の紅葉』
撮影者:
笹森 敏雄(十和田市)
撮影場所:
田代高原
講評:
スポットライトが紅葉した田代高原の大地を照らしている。画面上部をしめる大きな空、遠くに見える山々のシルエット、光を浴びた紅葉の帯、そして一筋の虹。景色とのめぐりあいをひしひしと感じる。
冬の十和田賞
『冬輝いて』
撮影者:
清水目 章司(七戸町)
撮影場所:
十和田市現代美術館アート広場
講評:
ローアングルからイルミネーションをうまくとらえ、かすかに浮かび上がるゴーストのモニュメントが不思議な世界をつくりあげている。狙いは良いがもう少し画面に広がりがほしかった。
冬の十和田賞
『雪桜の広場』
撮影者:
漆舘 俊尚(十和田市)
撮影場所:
桜の広場
講評:
霧氷の夜、カリオンをポイントにしてバランスもよく、フレーミングがとてもしっかりしている。光を受けた霧氷の木々が幻想的である。写真には珍しい色彩表現を感じた。
佳 作
『朝焼けの湖畔』
撮影者:
中野渡 俊彦(十和田市)
撮影場所:
十和田湖
講評:
湖面に霧がたちこめて、そこに美しい黄葉が姿を映している。とても美しい秋を表現している。紅葉に色のバリエーションがほしいと思うのは欲張りかもしれない。
佳 作
『時間旅行』
撮影者:
砂渡 勝彦(六戸町)
撮影場所:
十和田市馬事公苑 駒っ子ランド
講評:
建物の明かりと遊具が重なっているのが気にかかる。星空の長時間露光は素晴らしい。
佳 作
『満月の使者』
撮影者:
青山 一夫(十和田市)
撮影場所:
十和田市馬事公苑 駒っ子ランド
講評:
光輪は素晴らしいが遊具の配置をもう少し工夫したい。
佳 作
『青いステージをクリエート』
撮影者:
三浦 譲(十和田市)
撮影場所:
十和田市現代美術館アート広場
講評:
アート広場のイルミネーションがとてもきれいである。長時間露光の赤のバックライトも効果的だが背景をもう少し明るくしても良いと思う。
佳 作
『ファンタスティックな夜』
撮影者:
山本 敏夫(八戸市)
撮影場所:
アート広場
講評:
ポイントに満月を入れたのは良い狙いだが、画面構成が平凡になっている。
佳 作
『ファンタジーナイト』
撮影者:
松橋 洋司(東北町)
撮影場所:
十和田市現代美術館
講評:
降る雪の捉え方や雪をまとった木と馬の配置も良いのだが、ストロボの光が強すぎだと思う。
佳 作
『ブルーの世界』
撮影者:
逓駅 和子(東北町)
撮影場所:
十和田市現代美術館アート広場
講評:
敷き詰めたイルミネーションとそれを繋ぐ線を取り入れたのはなかなかである。冬ならではのブルーが美しいが、ポイントが弱い。
佳 作
『ハートでおもてなし』
撮影者:
神 玲子(十和田市)
撮影場所:
桜の広場
講評:
ハート形に集められた桜の花びらに見入る子供たちがかわいらしい。もうすこし顔の表情が見たかった。
佳 作
『朝光』
撮影者:
木村 清栄(青森市)
撮影場所:
十和田湖
講評:
全体のバランスが良い。やさしくも力強い十和田湖ならではの景観である。彩度の上げすぎが少々気になる。
佳 作
『大海原』
撮影者:
中渡 和誉(十和田市)
撮影場所:
十和田湖
講評:
雲海の十和田湖が美しい。ただ、朝焼けの色彩が今一つ、時刻の関係だろうか。
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